「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」
2008年 03月 20日
若松孝二監督が私財を投入して作り上げた、あさま山荘事件に至るまでの連合赤軍に何が起こったのかを連合赤軍側の立場から見た映画。
今まで連合赤軍を描いた映画は「光の雨」「突入せよ!あさま山荘事件」がありますが、連合赤軍が実名で描かれたのは今回が初。
この事件が起きたのは私が小学校低学年の頃でほとんど記憶にありませんが、今の若者と違ってこの時代の若者のパワーは凄かったんだなーーと痛感させられます。
しかし世の中を自分の力で変えてやる!そういう正義がいつの間にか暴走し、総括という名の元に同じ仲間たちを集団リンチにして殺してしまう・・・しかも死んだのは革命に対する敗北であるという風に死んだ奴が悪いという正当な理由に変えてしまう。
誰かスケープゴートにすれば自分に矛先は向かないという集団心理もあったかと思いますが、12人を殺害してしまうとは・・・
映画では坂井真紀演じる遠山美枝子が死ぬところ(彼女は4番目ぐらいの犠牲者)でかなりはしょられてましたが・・・
ただ迫力的には「光の雨」には劣るかな?「光の雨」はあまり評判は良くないですけど、私的にはこっちの方が連合赤軍の怖さを知った気がします。まあ初めてこの事件を「光の雨」で知ったというインパクトがあるからかもしれませんが・・・裕木奈江が永田洋子役でめちゃ怖い・・・
最後の残党があさま山荘に立てこもったとき、一番下の青年(なんと高校生)に「僕たちは勇気がなかったんだ!」と言い訳させているところが、妙に綺麗ごとにしようとする感じがして、気になってしまいました。まあこうでもしないと救われませんが・・・