「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」
2018年 04月 07日
ヒトラーとの和平交渉か、いや徹底抗戦か――英国が困難な選択を迫られた1940年5月9日からの1カ月弱をウィンストン・チャーチルを軸に描いた作品。監督はジョー・ライト。
いやーー重厚で重かったですが、凄く面白かった作品でした。特にダンケルクやカレーの戦いに対する理解がより深まり、イギリス本土ではこういう苦悩を経ての戦いだったのか!と再確認できました。
まさか秘密裏にドイツとの和平条約を結ぼうとしていたとは・・・ただ気になったのは和平工作をしかけたハリファックスが悪役ぽい感じで描かれているのがね・・彼は彼で若い兵士が無駄死にしないようにしたいという理想があったのに・・・
確かに悩んだ挙句市民に意見を聞くチャーチル首相のシーンは泣かせますが(子供ですら和平は絶対ダメ!と言い切るシーンには驚いた)冷静に考えると死ぬまで断固戦うというのは・・・結果的に本土決戦にはならず勝ったから良かったものの、負けてればこの選択は果たしてよかったものか・・・と考えさせられます。
ウィンストン・チャーチルを演じたゲイリー・オールドマンの圧巻の演技には参りました。確かに特殊メイク(辻一弘がアカデミー賞取りましたね)で、目だけがオールドマンで後はまったく別人でしたが、凄かった・・・最後の演説なんて鳥肌が立ちましたからね・・・主演男優賞総なめしたのはよく分かります。
原題は「darkest hour」(最も暗い時)でチャーチルがその当時の時代を指した言葉ですが、”夜明け前が最も暗い”ということわざ通り、その先には希望があると指し示しており、趣き深い題名となっています。