「セールスマン」
2017年 07月 11日
突然の暴行事件をきっかけに心がすれちがっていく夫婦を描いた作品。
冒頭のマンションの崩壊によって立ち退きを余儀なくされた夫婦。全てを壊して一から作り直した方が良いと言われるほど荒廃した土地。友人の紹介でマンションを借りれるが、そこは以前売春婦が住んでおり、男の出入りが激しかったようで・・・その売春婦と間違えられ暴行された妻。恥ずかしいからと暴行事件を警察に届けない妻、必死に犯人を割り出し復讐しようとする夫。意外な犯人。そしてさらなる悲劇・・・
夫婦は劇団員であり、劇中で演じられるのがアーサー・ミラーの「セールスマンの死」というのが奥深い。アメリカの高度成長の裏で、着いて行けずボロボロになったセールスマンの話が、今のイラン情勢を伺っているのが、小憎らしいほど上手い。
結局誰が悪いのか?明確にならないもどかしさが付きまといます。
クライマックスは息を呑むほどドキドキしますし、良い作品だと思いますが、凄く後味が悪いので、万人受けはしないんじゃないかと・・・
この作品が賞を取ったのはやはりトランプ政権に対しての批判という特需があったせいなのかな・・・・