「雪の断章 情熱」
2017年 10月 31日
「雪の断章 情熱」を見ました。
佐々木丸美の小説の映画化。斉藤由貴初主演作、監督は相米慎二。
もうかれこれ32年以上も前の作品。原作者の佐々木丸美が映画のデキに激怒して、DVDとして残さないようにと言い残して亡くなったという曰く付きの作品。そのためVHSとLDしか残っていません。
しかし今見ると、かなり斬新と言うか思い切ったというか、とても変な映画です。
セットの隅々まで舐めるようなカメラワーク、バイクの後部座席で、反り返って歌う斉藤由貴(めちゃ怖そう、歌は夏の扉)、急に狂ったように踊りだすライバル、主題歌(「情熱」)が流れてくるMTVのようなシーン、買い物ブギをバックに溺れる斉藤由貴、謎のピエロ(人形のときと人のときがある)などなど。
原作を読んだことがありますが、ここまで変な世界じゃありません(笑)
ふたりの男性に囲まれて育った孤児の少女が、殺人事件に巻きこまれ、真の愛を見つけていくお話なんですが、もう殺人事件はおざなりで、死体すら出てきません。サスペンスとしてはどうかと?
それに加え、斉藤由貴の演技があまりにも酷くてビックしてしまいます。これがのちの名女優さんになるとは!!!時の流れは凄いものです。
これだけはちゃめちゃな映画は、珍しく、なぜか凄く惹かれる好きな映画だったりします。
もちろん相米慎二監督は、「翔んだカップル」「セーラー服と機関銃」「台風クラブ」などのアイドル映画の傑作を撮ってますが、なぜこの作品だけ、ここまで狂気を感じるのか?謎です。
by konsun
| 2017-10-31 21:46
| 映画
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